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栗東よしおか小児科

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当院の乳児湿疹、アトピー性皮膚炎の治療方針(遺伝だからと仕方がないと諦めることはありません!)

はじめに:

乳児湿疹は早い子では新生児期から発症します。赤ちゃんの皮膚は薄く乾燥や温度変化などの刺激に弱いので、生まれた産院などで保湿などのスキンケアを指導されてることが多いですが、それでも体質もありきちんとスキンケアが出来ていても湿疹が出来てしまうことがあります。乳児湿疹が正しい治療がされないまま悪化するとアトピー性皮膚炎に進展して、成人まで治らないことも少なくありません。そればかりか、ダメージを受けた皮膚に卵や小麦といった微細な食物成分(床や布団に紛れた)が刺激して食物アレルギーの原因となります。ですから、乳児湿疹は初期のうちから適切に治療することが重要です。

 

治療:

当院では、湿疹を主訴に受診された場合、ごく初期の軽度であれば外用薬(それは弱めのステロイドのこともあれば、非ステロイドのこともあります)を処方し、薬の使い方、スキンケアの確認、どういうときに再診が必要かなどを説明して帰っていただきます。ある程度湿疹が進んでいる場合は必ず次回受診予約をとって、それまでの治療を細かく指示させていただきます。そして、それまで状態や外用薬使用状況を記録してもらいます。受診ごとに次回受診までの薬の使い方をお伝えし、完全に病状をコントロール出来るまで継続受診していただきます。当初は1~2週間隔ですが安定してくれば1~2か月間隔の受診になります。定期ワクチンがあれば、そのタイミングも使って診察します。基本的には「プロアクティブ療法」という、ステロイド薬を軸にして一旦完全に皮膚を湿疹の無い状態にして、その良い状態を維持しながらゆっくりと薬を減らす治療を行います。最近では効果の高い非ステロイド薬も発売され、組み合わせながら治療しています。

 

注意点:

このプロアクティブ療法は理屈がわかればご自宅で自分で出来るのではないかと思われるかもしれませんが、ほとんどの方は上手くいきません。理由はいくつかあって、まず湿疹が良くなっているかどうかの判断が難しいことです。この治療の肝は良い状態にしてから減薬することにあるので、良くなってないまま減薬すれば必ず悪化します。また、減薬するタイミングも難しいです、早く落とし過ぎると悪化して治療が振り出しになったり後退することになります。あと、乳児湿疹ではない皮膚病変の見極めが難しいです。多いのは感染症で、細菌感染(いわゆるとびひ)や真菌感染、ヘルペスなどのウイルス感染、ダニなどの虫による病変(疥癬など)は、それに応じた薬が必要になりますし、ステロイドで逆に悪くなることが多く、湿疹だと思ってステロイドを使い続けてみるみる悪化させてしまうことも少なくありません。以上のようなことから、当院では定期的に通院いただける患者さんでなければ治療はしない方針にしています。治療開始後にも、指示通りに薬を使わなかったり受診いただけない場合は、こちらから治療を中断することもあります。ステロイドは正しく使えば非常に効果の高い良い薬ですが、家族が自己流で不適切に使うとかえって湿疹は難治化するからです。

 

最後に:

乳児湿疹やアトピー性皮膚炎は、確かに体質や遺伝的素因が関与していて、親に重度のアトピー性皮膚炎があると治療に難渋することもあります。しかし、この領域の治療はここ数年で大きく進歩していて、内服や注射薬、外用も新しい非ステロイド薬が出てきていますので、正しく治療していれば完治、もしくは限りなく完治に近い状態(年に数回、悪化することがある程度)にまでになります。遺伝だから仕方ないと諦めずに治療の相談をして欲しいと思います。また、看護師などスタッフも十分な知識をもって治療やケアの説明が出来ますので、わからないことや不安になことあがあれば何度でも質問いただければと思います。