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〇:一般小児診療 △:予防接種・専門外来
〒520-3031
滋賀県栗東市綣3丁目5-17
栗東よしおか小児科
TEL 077-596-3700
FAX 077-596-3701
はじめに:
私はアレルギー専門医ではありませんので、当院の標榜科にはアレルギー科を入れていません。みなさんお気付きと思いますが、多くの小児科クリニックで小児科・アレルギー科と標榜しています、これは本当にアレルギー専門医であることもありますが、そうでないこともあります。標榜科は制限がないのでこういう自称アレルギー科が出来てしまうんですけど、私はそういうのは嫌なんで標榜してません。しかし、自分の能力とガイドラインから外れない範囲で食物アレルギーの診療をさせてもらっています。
診断:
まず食物アレルギーを疑われる症状が出た時に、じっくり症状経過を検討します。ご家族が疑ってもアレルギーではなく、かぶれ(接触性皮膚炎)であることが少なくないです。血液検査をすればはっきりすると思われてる方が多いですが、対象食物が陽性でも食べられたり、陰性でも症状が出ることがあります。低年齢ほどそういう偽陽性や偽陰性が多いです。当院で血液検査するのは、症状で強く食物アレルギーが疑われるが、原因食物の候補がいくつかありはっきりしないとか、負荷試験をするに先立って程度を確認する必要があるときです。項目もなるべく必要なものに絞り込みます。よく30~40項目をまとめて判定する検査をされている方を見かけますが、やはり偽陽性が多いし、医者が「これは数値が高いけど食べられているから、続けて食べてください」と言っても(じゃあなぜ検査したの?って思いますけど)、不安で食べさせなくなる家族が絶対におられます。だから、うちではこの多項目検査は絶対に行いません。
最終診断は基本的には食物経口負荷試験といって、原因食物を院内で半日ほどかけて少量から摂取して実際に症状が出るかを見るという検査をします。また、血液検査の数値が高いと負荷試験はせずに除去を開始することもあります。
治療:
上記の検査で診断を行い、完全除去が必要になった場合は数か月後に血液再検査をして負荷試験を検討します。少量なら食べられそうなことがわかれば、原因食物を少量から開始してもらいます。ここからは1日〇gを週〇回以上、〇週ごとに〇gずつ増量というふうに細かく指示して必ず再診してもらい、増量出来てるかを確認します。少しずつ食べて増やすように指示だけして家族に任せている医療機関もありますが、それだとほとんど増やせずに何年も経過してしまってる例をしばしば見かけます。特に卵、乳、小麦を食べられるかは、今後の体の成長にも社会活動においても大きく影響するので、当院では目標摂取量になるまでしっかり管理させてもらいます。実際の食物の与え方や調理法などが上手く行かず(飽きて食べないなど)、増やせないときは保健師がフォローするので大丈夫です。
最後に:
ちょっとスパルタな印象を持たれるかもしれませんが、必ず食べられるようになってもらうために必要と考えています。ご理解いただいた上で治療を希望される方は、遠慮なくご相談ください。