★公式ブログ
★診療時間
〇:一般小児診療 △:予防接種・専門外来
〒520-3031
滋賀県栗東市綣3丁目5-17
栗東よしおか小児科
TEL 077-596-3700
FAX 077-596-3701
はじめに:
便秘というと便が出ない状態が続くことと思われるかもしれませんが、それだけではありません。確かに便が3~4日以上の間隔でしか出ないなどありますが、毎日出ていてもコロコロした硬い便が少しずつ押し出されるような排便も、特にそれに痛みや出血などの排便困難があれば立派に便秘として治療対象になります。子どもはこの排便痛などがあると排便を嫌がり我慢するようになり、ますます便が硬くなるという悪循環となります。小児では便秘により以下のような様々な障害が発生します。
・痔になる。
子どもでも便秘を放置すると痔になります。
・体重増加不良の要因になる。
出て行かないから食欲が落ちます。当然体重が増えません。
・オムツが外れない。
トイレトレーニングが上手くいきません。便意を感じた時に容易に排便出来る状態を維持しないと難しくなります。また、トイトレ自体も便秘の原因となります。
・夜尿が続く。
便秘があると膀胱機能が落ちるので、尿を夜間に膀胱に蓄えることが適切に出来なくなります。
・過敏性が強い子に便秘が多い
疳の虫が強くて夜泣きや人見知りが極端に強く過敏な子は、やはり発達障害を疑いますが、発達障害に便秘を伴うことが多いのは明らかになっています。だから便秘が原因ではないでしょうが、日々のストレスを減らすためにも治療は積極的にするべきと考えます。
治療:
治療はまず便が溜まってる状態があれば積極的に肛門綿棒刺激や浣腸(イチジク浣腸など)、坐薬などで出すようにします。浣腸ばかりしてると癖になって自分で出せなくなるのではと心配されることがありますが、それは大丈夫です。むしろ腸に便を溜める癖をつけてしまう方が問題になります。
そして、定期的に受診していただき、内服治療(年齢や便秘のタイプにより薬は違います)で少し柔らかめの便が短い間隔ですっきりと出る状態をしばらく維持します。それから徐々に減らしていきます。もし減薬時期にトイトレが重なるならトイトレを優先して、オムツが外れてから減らすことが多いです。短いと1~2か月で終了出来ますが、通常は数か月、長いと数年継続することもあります。でも、便秘状態を続けるよりは上記のような二次障害を防ぐために治療を続ける方が良いです。なお、水分を多くとったり、野菜やヨーグルトなどの食事療法で治療を試みる方がいますが、現実的には食事だけで解決することはとても稀です。
最後に:
薬の調整は必ず外来で相談して決めます。次回受診までの間でこうなったらこうするように的な指示をすることもありますが、基本的には当院で管理します。病院で一度にたくさんの便秘薬を処方してもらい、それを保護者の判断で勝手に飲んだり止めたりを繰り返して全然治ってないケースをしばしば見かけます。こういう時は薬も効きにくくなって、さらに治療困難になっていることが多いので、くれぐれも注意してください。